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桜井市第2次行財政改革の取り組みについて(総括)

1 はじめに

  本市は、平成20年10月に「桜井市行財政改革プログラム(第2次)」及び、その実施計画である「第2次行財政改革アクションプラン」を策定し、平成21年度から平成25年度までの5年間、このプログラム及びアクションプランに基づき行財政改革を推進してきた。今回、「第2次行財政改革」の5年間の取り組みを終えたことから、その成果を検証・分析し、まとめを行うものとする。

 「第2次行財政改革」では、施設の廃止・休止・統廃合及び組織の見直しなどを含めた抜本的な改革を行うことに重点をおいた。これは事務事業の見直しを中心とした平成16年度からの「第1次行財政改革」の取り組みにも関わらず、平成19年度一般会計決算において30年ぶりの赤字となり、早期健全化団体に陥ることも危惧されたからである。これらのことから「第2次行財政改革」として、さらなる抜本的な改革により、早期に累積赤字を解消し、財政再建と将来のまちづくりに向けた財政健全化をめざして取り組みを進めた。

 その結果、地方交付税の増額や経済対策の臨時交付金などの国による地方財政対策の充実が大きな要因ではあるものの、「第2次行財政改革」の取り組みによる一定の効果もあり、平成22年度決算において累積赤字を解消し、以降、平成23年度から平成25年度の一般会計決算においては単年度収支でも黒字を計上している。個別にみると、アクションプランにおける86項目にわたる具体的な取り組みを進め、計画を上回る効果額を達成した。

 この「第2次行財政改革」の取り組みが、本市が財政の危機的状況を脱し、将来のまちづくりに向けた一定の財政基盤の構築につながったことは「第2次行財政改革」の成果である。

2 行財政改革プログラム(第2次)について

(1)第2次行財政改革の経緯について

1 財政の危機的状況から「第2次行財政改革」へ

 「はじめに」でも述べたとおり、本市は平成16年度から平成20年度の5年間を実施期間として「第1次行財政改革」に取り組んできた。「第1次行財政改革」は事務事業の見直しを中心に財政の健全化に重点をおいた取り組みであった。この取り組みで、かなりの改善がなされたにもかかわらず、小泉構造改革や景気悪化によって本市は非常に大きな影響を受け、その後も景気の低迷が続き、国による地方財政対策も十分ではなかったため、本市の財政状況は一層厳しい状況に陥った。この結果、一般会計において、平成19年度決算で30年ぶりの赤字となり、平成20年度決算においてはさらに赤字が拡大することとなった。本市の財政は危機的状況に陥り、新たに自治体財政健全化法の制定もあって、一刻の猶予もない状況におかれ、さらなる行財政改革に取り組む必要があった。

 このことから、平成20年10月に抜本的な改革を行うことに重点をおいた「行財政改革プログラム(第2次)」を策定し、引き続き行財政改革を推進することとなった。

2 「第2次行財政改革」の考え方

  財政の危機的状況を克服するため、本市は「第1次行財政改革アクションプラン」に続き、さらなる取り組みをする必要に迫られた。事務事業の見直しはもとより、さらに抜本的な改革・見直しを進めるため、平成21年度から平成25年度までの5年間を計画期間とする「桜井市行財政改革プログラム(第2次)」及び、「第2次行財政改革アクションプラン」を平成20年10月に策定した。この「第2次行財政改革」においては、「第1次行財政改革アクションプラン」の項目を継続実施するとともに、計画期間中に実施できなかった項目の具現化と、さらに抜本的な改革・見直しを進めることとした。財政が危機的な状況にあるという認識のもと、市民サービスの低下を招く取り組みも余儀なくされる状況であった。

 以後、平成25年度まで、「行財政改革プログラム(第2次)」に基づき、「第2次行財政改革アクションプラン」を適宜見直し、追加・修正しながら行財政改革に取り組んできた。

(2) 行財政改革プログラム(第2次)の目標および成果について

「第2次行財政改革プログラム」は、施設の廃止・休止・統廃合及び組織の見直しなどを含めた抜本的な改革を行うことを中心に、平成21年度から平成25年度までの5年間を実施期間とした。

 とりわけ財政健全化のための数値目標として、経常収支比率の平成25年度の目標値を96%以下とし、この達成に向け、5年間で1割を削減目標とする職員数の削減、起債の抑制、扶助費の見直し等を実施した。また、市税収納率については、現年度課税分の目標収納率を98%とし、課税客体の把握の強化、過年度の未徴収分についても積極的に収納に努めた。

 しかしながら、平成25年度の経常収支比率は98.7%となり、目標値を達成できなかった。これは、歳入面において、市税をはじめとする自主財源が乏しく、本市の財政基盤が脆弱であり、地方交付税など国の地方財政対策に大きな影響を受けやすい財政構造となっていることが一因でもある。一方、市税の収納率については、平成25年度の市税の現年度課税分の収納率は99.2%となり目標値を上回った。歳出面では、人件費の見直しを進め、職員数については削減目標を上回る削減を行った。また、議員報酬等についても削減された。しかし、扶助費については社会保障関連経費として大きく増加している。公債費については、事業の抑制・起債発行額の抑制を行っていることにより、実質公債費比率は9.7%となり目標を達成している。

 以上のように、経常収支比率の目標は達成できなかったものの、職員数・実質公債費比率・市税収納率の各数値目標は達成しており、個別の課題(取組項目)についても、それぞれ着実に成果を上げている。しかし、本市の財政健全化の最大の要因は国の地方財政対策の充実であり、行財政改革の取り組みも一定の効果があったものの、それらの複合的な要因によって、将来のまちづくりに向けた一定の財政基盤を構築することができたと考える。

3 行財政改革アクションプランについて 

  「第2次行財政改革プログラム」の実施計画にあたるアクションプランにおいては、次の5項目に重点を置いた見直しを実施した。

 「第2次行財政改革アクションプラン」(適宜見直しを実施)において、最終的には5年間の累計効果額として30億5,634万円を計画し、それに対して、実績の累計効果額は32億28万6千円となり、計画を1億4,394万6千円上回る実績額となった。なお、効果額は平成20年度当初予算額を算定の基礎とすることを基本とし、5年間の効果額を累計している。

 各項目別の効果額の目標と実績については、次のとおりである。

(1)施設などの廃止・休止・統廃合などの見直しを進める。

  5年間の目標効果額 253,056千円 → 実績効果額 279,167千円

 この項目においては、地域ごとの人権文化センターとこどもセンターの組織統合(現ふれあい センター)、高齢者総合福祉センターの浴場施設の休止、グリーンクラフト館の休館、中央公民館図書室の廃止などを行った。

 (2)組織の見直しを行うと共に、さらなる職員数の削減を行い、人件費の抑制を図る。

 5年間の目標効果額 670,865千円 → 実績効果額 880,465千円

 この項目においては、人件費について計画を大幅に上回る削減を実施した。職員数については、定員管理計画に基づく定員607名から、5年間で1割の削減を目標としていたが、平成25年4月1日現在では543人となっており目標を達成している。また、非常勤特別職の報酬についても引き下げを実施した。議員報酬等についても、平成21年度より引き下げられた。行政組織の見直しも実施している。

 (3)民間委託、民営化、新たな施設の指定管理者制度の導入を進める。

 5年間の目標効果額 236,401千円 → 実績効果額 265,255千円

 この項目においては、平成22年4月に第4保育所を民営化した。また、人権ふれあいセンターや図書館について指定管理者制度を導入し、し尿処理施設運転管理業務については民間委託を実施した。なお、学校給食調理業務については、施設の整備や運営をあわせてPFIの手法を用いることにより、新施設の稼働に合わせ民間委託をする予定となっている。資源ごみ収集の民間委託については、当初は民間委託の予定であったが再検討により当面直営としている。

 (4)最大限の収入確保を図る。

 5年間の目標効果額 1,409,830千円 → 実績効果額 1,074,832千円

 この項目においては、各使用料や手数料の見直し、収納率向上対策による歳入の増加を効果額としている。ただし、各年度による対象者や対象件数の減少などの要因により、目標の効果額を下回る結果となっている。ふるさと寄附金の獲得については、全庁的な取り組みを進めた結果、一定の成果がでている。

 (5)行政評価・事業仕分けによる事務の見直しなどにより歳出の削減を行う。

 5年間の目標効果額 486,188千円 → 実績効果額 700,567千円

  この項目においては、様々な事務事業について、見直しを実施し経費の削減を実施した。団体への補助金の見直しについては、平成22年度に補助金のカットを実施し、平成24年度には事業費補助への移行を促している。イベントについては各種イベント経費の半減を基本として実施した。また、公用車の小型化・軽自動車化の推進、私立保育所への運営費負担金の見直し、各施設の指定管理料の見直しなど、様々な事務事業について経費を削減している。

4 今後の行財政改革の取り組みについて

 平成16年度からの第1次行財政改革、平成21年度からの第2次行財政改革の10年間にわたり、危機的な財政状況の中でコスト削減やスリム化および収入確保について、重点的に取り組みを進めてきた。その結果、財政状況については十分とは言えないものの一定改善した。一方で、経費削減による事業の縮小、新規事業の凍結、権限移譲による事務量の増加、定員管理による職員数の削減を実施してきたことにより、市民ニーズや課題への対応も十分ではなく、課題を先送りする結果になっている現状もある。

 そこで、第2次行財政改革に続く今後の行財政改革の取り組みを進めるにあたり、これまでの財政健全化をめざした取り組みの成果を踏まえながら、一方で財政健全化の取り組みに傾注してきたために表れてきた課題についても、解決に向け取り組んでいくという方向性で検討してきた。

 これからの地域経営・行政経営を考えると、財政健全化については継続して取り組んでいく必要があるものの、一方で、先送りになっている課題解決と活力あるまちづくりの取組みの推進も重要となっている。このことから、従来の財政健全化をめざす取り組みを継続しながら、「政策実現」のための改革をめざして取り組みを進めることを基本として、「桜井市行財政改革大綱」を策定した。

 この行財政改革大綱において、基本理念を「持続可能かつ弾力的な行財政基盤を確立し、活力ある将来のまちづくりを推進する」と定めている。これまでの行財政改革の取り組みなどにより、将来のまちづくりに向けた一定の財政基盤は構築できたと考えられ、これをさらに継続し発展させることが、これからの地域経営・行政経営に必要不可欠である。

 今後は、行財政改革大綱の基本理念に基づき、これまでの財政健全化の取り組みを「改革の礎」として、将来のまちづくりに向け引き続き、行財政改革を着実に推進していくものとする。

第2次行財政改革の取り組みについて(総括)

 詳しい内容は下記をご覧ください。

桜井市第2次行財政改革の取り組みについて(総括)(PDF:822.7KB)

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