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万葉歌碑-歌碑の紹介(27)

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No.27

秋山の樹の下かくり逝く水の吾れこそ益さめ御思ひよりは

  • 歌の解釈:秋山の木の下を隠れて流れていく細い流れの水が、次第に水かさを増していくように、私のあなたに対する思いのたけは、あなたご自身の私への御思いよりはまさっているのですよ。
  • 万葉集:巻2~92
  • 所在:舒明天皇陵近く
  • 著者:鏡王女
  • 筆者:犬養 孝

歌碑27の画像

歌碑ものがたり(その27) 

(広報『わかざくら』平成13年1月15日号掲載)

  • 鏡王女の歌碑

忍阪の集落を貫く南北の道路のなかほどに「舒明天皇御陵従是左一町」としるす石標がある。ここから約百メートルで御陵につく。
御陵の右手細道にそうて約50メートルの地、小川の向こう側、上方の鏡王女の墓を望みうる位置に次の歌碑が建っている。


「秋山之 樹下隠 逝水乃 吾許曽益目 御念従者」 孝書 印

訓読は、「秋山の木の下がくりゆく水のわれこそまさめみ思ひよりは」(万葉巻2-92)


歌意は、秋の山の木陰を流れて行く水のように、木の葉に埋もれて、表面に表れないが私の方こそあなたの御心持ちよりも、ずっと深い思いでありましょうよというのだ。

鏡王女は近江の鏡王の娘で、妹に額田王がいる。お二人共天智天皇に召されていた。鏡王女はのち、鎌足の正妻となる。集中本歌共に五首が載る。


ところで、この歌は天智天皇の「妹が家もつぎて見ましを大和なる大島の嶺(ね)に家もあらましを」(同-91)の御製にこたえられた歌。

場所については諸説のある作である。


染筆の犬養孝先生は明治四十年(一九〇七)四月一日東京都台東区池の端生まれ。

東京帝国大学卒業。文学博士。大阪大学名誉教授、甲南女子大学名誉教授、文化功労者。明日香村名誉村民、著書は「万葉の風土」「万葉の旅」「明日香風」等多数。

平成十年(一九九八)十月三日逝去、九十一歳。


永らく明日香村に貢献されたこともあって本年四月一日、万葉の飛鳥古京の地、岡の邑に「犬養万葉記念館」がオープンした。木造建築入口一部を生かし、一階に先生のビデオを見る部屋と書斎、蔵書室とつづく。二階にのぼるとNHKビデオが流れている。

あのなつかしい柔和な風貌に接し力強い朗詠をきくことができる。

先生は当桜井市へは夏季大学講師として何回もお出でくださった。

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