「再審法(刑事訴訟法の再審規定)」の改正を求める意見書

更新日:2022年03月01日

再審は、無実の人が救済される最後の砦です。罪を犯していない人が犯罪者として法による制裁を受ける冤罪は、人生を破壊し、人格を否定すると同時に、法制度自体の正当性を失わせるものです。冤罪はあってはならないと誰しも認めることでありながら後をたちません。 2010年の足利事件に始まり、布川事件、東電女性社員殺人事件から、2016年の東住吉事件に至るまで、無期懲役という重罰事件の再審無罪が続き、2019年に松橋事件、2020年には湖東記念病院人工呼吸器事件でも再審無罪が確定しました。また、2014年には、袴田巌さんが死刑囚監房から解放されるという出来事がありました。 これらの事件で再審開始が認められて無罪となる過程では、検察が捜査で集めた証拠を隠蔽し、開示しないことが大きな壁となっていました。通常審では、公判前整理手続きを通じて、一定の要件で証拠開示が制度化されましたが、再審においては、ルールがありません。その結果、証拠が開示されるか否かは裁判官の個別判断や検察官の任意に委ねられることとなり、法の下の平等原則さえも踏みにじられています。 また、再審開始決定に対する検察による不服申立てが許されていることも大きな壁となっています。公益の代表者という検察官の法的地位からしても、裁判官の決定にいたずらに逆らうことには、法的な制限を加える必要があります。 このように、再審における証拠開示制度の確立、検察官の上訴制限が無実の人の救済のための喫緊の課題であり、加えて、再審における手続きの整備の必要性が強く求められています。 狭山事件などの再審請求人は、長きにわたり裁判のやり直しを求めています。無実の人を誤った裁判から迅速に救済するために、下記のとおり再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を行うことを強く求めます。  

記  

  1. 再審における検察が有する証拠の全面開示をすること。 
  2. 再審開始決定に対する検察の不服申立て(上訴)がいたずらに行われることのないよう制限を加えること。
  3. 再審手続きの整備をすること。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。  

令和3年6月25日

桜 井 市 議 会

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