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令和元年度の活動報告

第14回纒向学セミナーを開催しました

2020年2月1日(土曜日)に第14回纒向学セミナー「古墳時代祭祀遺跡と伊勢神宮の原像」を開催しました。当日は寒空の下、約260名の方にお越しいただきました。

 今回は、三重県埋蔵文化財センター調査研究1課長の穂積裕昌先生をお招きし、本セミナーの演題にてご講演の後、当研究センターの寺沢薫所長との対談をおこないました。

 穂積先生からは伊勢神宮の成立における問題として、成立時期と当初の成立地が重要な論点となっているとのご説明のあと、伊勢神宮の内宮域で採集された滑石製品や採集地の立地などから、桜井市山ノ神遺跡や伊賀市城之越遺跡との共通点が見られ、5世紀ごろには湧水点祭祀が行われていたと解説いただきました。

 また、伊勢地域での古墳の築造状況から、ヤマト王権との関係性について論じられました。中でも松阪市佐久米大塚山古墳は全長45メートル程度の帆立貝形古墳でありながら、金銅装鋲留眉庇付冑という大王墓や有力首長墓で確認されている遺物が出土していることにふれ、付近に存在した的潟がヤマト王権の外港として位置づけられており、その港を管理した人物が葬られているとの説を披露していただきました。

 この的潟周辺に本拠地を置いた古代氏族はいずれも伊勢神宮での祭祀に関わりがあり、こうした点から初期の伊勢神宮祭祀はヤマト王権からこれらの氏族に対して委託されておこなわれてものであると述べられました。

 対談では、古墳やその出土遺物などを通して纒向遺跡と伊勢地域との関係性について、5世紀またはそれ以前の繋がりを寺沢所長から投げかけ、また当時の港が果たした役割やさまざまな交易ルートについて穂積先生の編み出す「るるぶ考古学」のモットーを交えてお話が進み、来場者からは興味深くも楽しそうな笑みをいただく場面もありました。

 当日、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

穂積氏講演の画像

穂積先生講演中のようす

穂積氏と寺沢所長の対談のようす

穂積先生と寺沢所長の対談

令和元年度、第3回纒向考古楽講座を開催しました

 11月9日(土曜日)に第3回の纒向考古楽講座を開催しました。

 台風の影響で中止となった第2回講座【拓本で採りたい万葉歌碑】と同じテーマで、井寺池畔に立つ歌碑の拓本に挑戦いただきました。当日は快晴、風も適度にあり拓本日和となりました。

 はじめに歌碑の拓本を採る手順と注意事項を説明し、参加者の皆さまに3箇所の歌碑からお好きな場所を選択いただき、碑面をきれいにする作業から取り掛かりました。石碑を写し取る画仙紙を貼りつけるために水を吹き付けた際は、石碑と紙の間に入った空気を抜く作業が難しく最も時間を掛けておられました。

 歌碑に向かいあい、真剣ながらも楽しそうなご様子で墨を打っておられました。参加者の皆さまからは、初めての体験で楽しかったなどの感想をいただきました。

 参加いただたいた皆さん本当にありがとうございました。

第三回講座にて拓本をとる写真

協力して拓本に挑戦

拓本のアップ写真

皆さん丁寧に墨を打っておられました

桜井市纒向学研究センター東京フォーラム8を開催しました

 2019年10月27日(日曜日)に東京都千代田区有楽町のよみうりホールにおきまして、東京フォーラム8『「卑弥呼」発見!卑弥呼の宗女台与、年十三なるを立てて王と為す-卑弥呼その後-』を桜井市主催、読売新聞社後援にて開催しました。約700人という多くの方々にご来場いただきました。

 「卑弥呼」発見!シリーズの最終回として、「卑弥呼その後」というテーマで、講師の方々に台与が立った背景や、台与と男王の関係、東アジア史の視点を含めた様々な角度から、講演いただきました。

 午前の部では、京都橘大学客員教授で俳優の苅谷俊介先生より「卑弥呼以後-崇神大王の時代到来-」、続いて神戸女子大学教授の寺沢知子先生より「男王<共除>と台与<共立>-女性首長の実像-」と題してお話いただきました。

 午後の部では、国立歴史民俗博物館教授の仁藤敦史先生より「卑弥呼没後の倭国-東アジア情勢を中心に-」、最後にNPO法人古代邇波の里・文化遺産ネットワーク理事長の赤塚次郎先生より「247年東海六部族とその行方」と題してお話いただきました。

 講演の後には、寺沢所長の司会・進行により講演いただいた先生方とシンポジウムを開催しました。

 『魏志倭人伝』の内容を参照しながら、台与の人物像やそのお墓に関する推論だけでなく、二人の女王の間に立った男王がどのような人物だったのか等々、僅かな記述しかない卑弥呼のその後について、様々な議論が交わされました。

 参加いただいた皆様、ありがとうございました。

東京フォーラムのお客様のようす

多くのご来場ありがとうございました

東京フォーラムシンポジウムのようす

シンポジウムのようす

令和元年度、第1回纒向考古楽講座を開催しました

 令和になり、記紀万葉歌碑を通して新たな角度から纒向遺跡をみていただこうと全3回の講座を企画し、その第1回を9月21日に開催しました。

 第1回目の講座は【ふれてみて考古学】というテーマでおこない、前半に考古学の基礎知識や纒向遺跡についての説明、土器の観察について当研究センターの飯塚所員が解説をおこないました。モノの編年を考える例として車や、城の石垣が出たときは皆さんじっくり考えられ、意見を述べられました。

 後半は今後石碑の拓本を採る予行もかねて、土器の拓本実習をおこないました。小さい土器片に最初は苦戦する様子が見られましたが、最後には素晴らしい拓本を仕上げることができました。

 参加いただたいた皆さん本当にありがとうございました。

 次回(第2回)は天候によりますが、【拓本で採りたい万葉歌碑】の予定です。ご期待ください。

講座で出題されたクイズのようす

「モノ」の編年を考えてみよう

拓本練習のようす

拓本体験のようす

東京日本橋にある奈良まほろば館にてイベントを開催しました

 桜井市と天理市、そして田原本町、三宅町、川西町の5市町が共同で地元のPRをおこなうイベント「ヤマトの古墳と遺跡~ヤマトの源流を考える~」が東京日本橋の奈良まほろば館にて7月22日(月曜日)~28日(日曜日)の期間中開催されました。

 イベント会期中の7月27日、28日には、ウィークエンドスペシャルとして講演会や勾玉づくり体験がおこなわれ、当研究センターからは飯塚所員が参加しました。

 2日間で約280名の方にご来場いただいた講演会では、田原本町の唐古・鍵遺跡や三宅町の三宅古墳群、天理市内の古代豪族ワニ氏やモノノベ氏と関連する遺跡での発掘調査成果などを各市町の職員が解説し、桜井市は飯塚所員が纒向遺跡での最新の調査成果の紹介をおこないました。

 ワークショップでおこなったオーブン粘土による勾玉づくり体験も、親子連れをはじめとして沢山の方で賑わい、みなさん思い思いの色や形の勾玉づくりを楽しんでおられました。

 ご参加、ご協力いただきました皆さん、本当にありがとうございました。

まほろば館での講演のようす

講演をおこなう飯塚所員

勾玉ワークショップのようす

勾玉ワークショップのようす

第13回纒向学セミナーを開催しました

 2019年7月13日(土曜日)に第13回纒向学セミナー「神社のはじまりと纒向の王宮・王権」を開催しました。当日は生憎の雨模様となりましたが、約260名の方にお越しいただきました。

 13回目となる今回は、神戸大学大学院工学研究科教授で当研究センターの共同研究員でもある黒田龍二先生をお招きしました。黒田先生には上記のご演題でご講演いただき、その後は当研究センターの寺沢薫所長との対談をおこないました。

 黒田先生は、古事記・日本書紀の記述から伊勢神宮と出雲大社がどのような神の祀り方をしていたか説明した後、各地の遺跡で確認されている建物遺構を比較し、纒向遺跡の建物群が建物配置や柱の配置といった面でいかに規格性が高く先進的なものであったかお話しくださいました。また普段聞くことのできない、建物の復元設計をする際の裏話などもしていただきました。

 対談では、纒向遺跡で現在見つかっている建物跡から「楼観」を復元することは可能なのかといったことや、纒向遺跡の建物と飛鳥の宮や建物とは関係性があるのかという寺沢所長からの質問に黒田先生が答える形で進み、来場者のみなさんは熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

 当日セミナーにご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

黒田先生の講演中のようす

黒田先生の講演中のようす

黒田先生と寺沢所長の対談のようす

黒田先生と寺沢所長の対談のようす

お問い合わせ先
桜井市教育委員会事務局 文化財課
〒633-0074 桜井市大字芝58-2
電話:0744-42-6005
FAX:0744-42-1366