令和4年度活動報告

更新日:2023年02月15日

第17回纒向学セミナーを開催しました

2023年1月21日(土曜日)、関西大学教授の井上主税氏を講師に招き、第17回纒向学セミナー「卑弥呼共立の頃の朝鮮半島諸勢力の動向を考える」を開催しました。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小しての開催となりましたが、寒いなか、約120名の方に参加いただきました。井上先生のご講演のあと、当研究センターの寺沢薫所長と対談いただきました。

講演では、朝鮮半島に存在した馬韓・弁韓・辰韓といった国々の中でも、『魏志』倭人伝にもみられる狗邪韓国(弁辰狗邪国)の成長の様子についてお話しいただきました。主に墳墓からの出土資料をもとに時代を追いながら解説され、合わせて出土する楽浪郡や倭国由来の遺物から、楽浪郡・狗邪韓国・倭国の交流の様子やその変化についてもご説明されていました。

対談では、楽浪郡の衰退により「倭国乱」といわれる混乱状態になった倭国と、反対に成長が進んだ辰・弁韓の違いなどについて議論が交わされ、来場者の皆さんも熱心に耳を傾けていました。

当日お越しくださいました皆様、ありがとうございました。

井上先生の講演の写真

井上先生ご講演のようす

井上先生と寺沢所長の対談の写真

対談のようす

令和4年度纒向考古楽講座を開催しました

2022年12月3日(土曜日)に、令和4年度纒向考古楽講座を開催しました。16名に参加いただき、本年度も新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点よりテーマに沿って纒向遺跡を歩きました。

今回のテーマは「纒向遺跡の際(キワ)をあるいて極めよう」と設定して、奈良県遺跡地図に掲載されている遺跡の範囲を基軸に、行政的な範囲の設定と学術的な範囲の設定のポイントを発掘調査の内容を交えながら解説していきました。

JR巻向駅付近から遺跡の東端を目指して出発し、珠城山古墳群、纒向日代宮跡伝承地や大兵主神社を訪れました。神社から下って箸中地区では遺跡の南東端にあたる纒向川近くの段丘などを見ながら、慶運寺、ホケノ山古墳に向かいました。南端付近の稲荷山古墳等も見学し、再びJR巻向駅へ戻りました。

今回は、遺跡の境界線やその周辺の地理的状況を現地でご覧になり、また遺跡の中心部から端へ歩くことで地形の変化を体感するとともに纒向遺跡の広大さを実感いただけた半日となったかと思います。

参加いただいた皆様ありがとうございました。

大兵主神社にて案内の風景

大兵主神社にて解説するようす

珠城山古墳群の前にて案内の風景

珠城山古墳群を前に解説するようす

纒向学研究センター東京フォーラム9を開催しました

2022年10月16日(日曜日)に東京都千代田区有楽町のよみうりホールにて、纒向学研究センター設立10周年記念『東京フォーラム9 纒向学発信!「卑弥呼共立」』を桜井市主催、読売新聞社の後援で開催しました。

当日は約300名にお越しいただきました。ありがとうございました。

今回は、未だに猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点より、前回までの開催より時間を短縮しました。

寺沢所長の卑弥呼像とシンポジウム登壇者

前半約90分間は当センター所長、寺沢薫による基調講演をおこない、後半約100分間は関口和哉氏(読売新聞社橿原支局長)の司会のもと、苅谷俊介氏(日本考古学協会会員・俳優)、禰宜田佳男氏(大阪府立弥生文化博物館館長)、渡邉義浩氏(早稲田大学文学学術院教授)と寺沢所長によるシンポジウムを開催し、活発な議論が展開されました。

ロビーのようす

また、開演前や休憩時間などには同ホールのロビーにて、市のPRやふるさと寄附金の案内ブース、纒向遺跡関連書籍や市の特産品の販売ブースなどが設けられました。

首都圏のみなさまにも、纒向遺跡や当市の魅力がより伝わる時間となったのであれば幸いです。

注釈:禰宜田氏の“宜”の漢字は「ワ(わかんむり)」に「且」が正しい表記となります。

第16回纒向学セミナーを開催しました

2022年7月16日(土曜日)に第16回纒向学セミナー「三輪山という場所の必然-古代三輪山祭祀の祖型と展開-」を開催しました。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小しての開催となり、また当日は生憎の雨模様でしたが、約100名の方にお越しいただきました。

今回のセミナーは、三輪明神大神神社の禰宜であり、当センター共同研究員の山田浩之先生を講師にお招きしました。山田先生には上記の演題でご講演のあと、その後は当研究センターの寺沢薫所長と対談いただきました。

講演では、近年の祭祀考古学の動向にはじまり、『古事記』『日本書紀』にみられる三輪山に関連する伝承についてや、纒向遺跡の土坑や導水施設でおこなわれた祭祀が後の三輪山祭祀の原型と考えられるといった説をお話しいただきました。

対談では、これまで注目されてこなかった山ノ神遺跡出土の鉄製品の存在についてや、大神神社と出雲の神との関係など、寺沢所長からの質問も多岐に渡りました。

講演・対談あわせて考古学や歴史学、神道史など幅広い分野に話題がおよび、参加者の皆さんも深く聴き入っておられました。

セミナーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

山田先生ご講演のようす

山田先生ご講演のようす

寺沢所長と対談のようす

対談のようす

お問い合わせ

桜井市纒向学研究センター
〒633-0001 桜井市三輪686 芝運動公園内
電話:0744-45-0590
ファックス:0744-45-0590