自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める意見書

更新日:2024年09月13日

高齢化社会が進んでいる現在、高齢者の運転による交通事故が社会問題となっている。2023(令和5)年の高齢ドライバーによる交通事故発生件数は4,819件、事故全体に占める高齢運転者の事故割合は15.4%となっており、2019(令和元)年の18.1%からは減少しているものの、依然として多発している状況である。

75歳以上・80歳以上の運転免許保有者数の推移をみると、2019年の75歳以上・80歳以上の免許保有者数(75歳以上583万人・80歳以上229万人)は、2009年の数値(75歳以上324万人・80歳以上119万人)と比較して、75歳以上は約1.8倍、80 歳以上は約1.9倍となっており、今後ますます高齢ドライバーが増えていくと想定される。

地方公共団体では、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下により運転に不安を感じている高齢運転者や、交通事故を心配する家族等周辺の方々から相談を寄せられていた等の経緯から、運転免許の自主返納の取組みが進められる中で、免許返納後の移動の足の確保が大きな課題となっている。政府では、高齢運転者による交通死亡事故の深刻な社会問題化を背景に、免許返納者への公共交通割引施策を新規で実施する地方公共団体への支援を検討しているが、公共交通の空白地域には課題が残る。

よって、政府に対して、すべての地方公共団体が高齢運転者の免許返納を安心して推進することができるよう、自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備に向け、十分な予算措置や自動運転車両の利活用への環境整備等、下記の事項について特段の取り組みを求める。

 

 

一、高齢者の免許返納の促進に伴う自動運転移動サービスの導入において、過疎地域を包含する地方公共団体に寄り添う形で、国の相談窓口の開設や、専門家の派遣等の伴走型の支援体制を整えること。

 

一、自動運転技術の開発があらゆるメーカーで進められている中で、自動運転システムが主体となって車の操縦・制御等を行うレベル4以上の車両の開発促進とともに、遠隔操作システムの導入を含めた行政における利活用の仕組みの検討など、自動運転車両の実用化に向けた環境整備を加速すること。

 

以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。

 

令和6年9月13日

桜井市議会

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