史跡纒向遺跡辻地区の整備について

更新日:2022年03月14日

纒向遺跡辻地区

 平成30年3月末に史跡纒向遺跡辻地区の整備工事が完了しました。

 桜井市では現在、史跡纒向遺跡の整備事業を進めていますが、広大な遺跡全体を整備するには多大な時間を要することになります。そこで本格的な整備に先駆けて、遺跡を訪れる皆さまが分かりやすく快適に見学できるよう、辻地区の建物跡周辺の仮整備をおこないました。

 この事業の実施にあたっては、桜井木材協同組合様より杉の柱材をご寄贈いただき、予算面ではふるさと寄付金の充当とともに、ガバメントクラウドファンディングにより広く皆さまからご支援いただきました。ご協力いただきました皆様方に厚く御礼申し上げます。 纒向遺跡辻地区へ、ぜひ足をお運び下さい。

注意:このページの写真、図面等を使用する場合は、あらかじめ許可が必要です。下記リンク先から申請書がダウンロードができます。

発掘された建物群

 桜井市北部に位置する纒向遺跡は、古墳時代前期を中心とする時期の大規模な集落遺跡として知られています。190次以上実施されてきた発掘調査の成果から、纒向遺跡は3世紀代の日本列島におけるきわめて重要な集落であり、日本最初の「都市」とも考えられています。平成25年10月には、その中枢部分である辻地区と太田地区が国の史跡に指定されました。

 纒向遺跡辻地区では、平成20年度から26年度にかけて発掘調査がおこなわれました。7年度、9次にわたる調査では多くの成果が得られ、辻地区が遺跡全体の中でも特に重要な地域であることがわかりましたが、なかでも平成21年度に実施された第166次調査では、大型の掘立柱建物が確認されるなど、その成果は多くの注目を集めました。平成21年11月14日と15日に開催した現地説明会では、二日間で10,000人以上の見学者の方々にお越しいただき、多くの皆さまに纒向遺跡の重要性を実感いただける機会となりました。

第166次調査現地説明会の様子

整備された纒向遺跡辻地区

 纒向遺跡辻地区では、複数の掘立柱建物跡のほか、約2,700個もの桃の種が出土した大型土坑など、3世紀代の遺構が多数確認されていますが、このほかにも4世紀代の大規模な区画溝や、5世紀末頃の石貼り溝など、首長居館との関連性が推定される遺構も見つかっています。

 今回の整備事業では、これらのうち建物B、建物C、建物Dの3棟の掘立柱建物の柱を復元し、それぞれの建物を解説したサイン板と、「史跡纒向遺跡」の標柱を設置しました。

辻地区平面図
土系舗装と史跡標柱

土系舗装と史跡標柱

遺跡の景観に配慮し、建物跡周辺は土系舗装をおこないました。また建物跡の南西側には、「史跡纒向遺跡」の石製標柱を設置しました。

復元された柱

復元された柱

建物3棟で計65本の柱を復元しました。杉の柱材は桜井木材協同組合様より寄贈いただき、野外でも耐久性を保てるよう保存剤を加圧注入しています。

解説サイン板

解説サイン板

3棟の建物を解説するサイン板を設置しました。板面には、見やすく耐久性に優れた陶板を採用しています。

地図情報

お問い合わせ

桜井市纒向学研究センター
〒633-0001 桜井市三輪686 芝運動公園内
電話:0744-45-0590
ファックス:0744-45-0590